
夏休みの間に生徒が書いた作文です。
あるコンクールに提出するもので、形式は自由、作文用紙10枚以上というものでした。
中1の生徒は物語を書きました。合計14枚。
さ、書こうかなと思ってもすぐには書けない枚数です。2回の授業で書き上げました。おぉ。

(原稿用紙の裏面です)
何かをする上で、「量をこなす」っていうのは大切な要素だと思っています。
数をこなしていくうちの見えてくるものもあると思いますし、数をこなさなければ見えてこないものもあると思います。
もちろん、なんでも数をこなせばいいってものではありません。「効率的に」「無駄なく」を考えるのは、作業をやる上でとても大切です。
ただ、創作においては、まずは数をこなして自分の「無駄」を見つけていく作業が必要なのかなと思います。
絵や作文をかけないと思っている人の多くは、一つを完成させることができません。
それは見ていると、「自分はもっと上手い絵が描ける」「もっと面白い文章が書ける」と思っているけれど、実際に紙の上に浮かんでくるものが思っていたのとちがう、これで完成といって自分を下手だと思いたくない、と考えているからかな、と感じました。
なんで最初から上手いものが描けると思ってるんですか。
それで、何枚か描いて「ぜんぜん絵が上手くならない」と言う生徒がいて、どれくらい描いたのって聞くと「5枚」。
それ、腕立て5回やって「ぜんぜん筋力がつかない!」って言ってるのと同じですからね。
描かないことで、「もしかしたら上手い自分」を守り続けていくことは可能かもしれません。
でも、「実際には下手な自分」を受け入れることの方が面白いと自分は思います。
受け入れると、泣きそうになりますが。
自分なんかは実際に下手すぎて泣きましたが。
それでも、続けていると上手くなるから不思議です。
生徒の物語ははちゃめちゃで、でもきっと、今しか書けない物語なんだろうなと思えるもので、とても自分は楽しめました。(植田)