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フラワーガーランド5
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8月7日にエッセイストの華恵さんを先生に迎えての作文の特別授業を行いました。

​作文のテーマは『嘘』。

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​案出し

​「一口に“嘘”と言ってもいろんな嘘があるよね」

まずは嘘についてのイメージをみんなに聞いていきました。

「だます」、「話を合わせる」、「保身」、「罪悪感」、「なめられたくない」から「相手のために」、「和ます」…。​悪いイメージのものから良いイメージのものまで。​「相手のために」ってかっこいい。

​読む

華恵さんの“嘘”にまつわるエッセーを読みました。

エッセーを読みながら「嘘ってどういうものだろう」と改めて考えていきます。

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話す

読み終えた後、再び嘘についての話を聞いていきます。

自分がついた嘘、つかれた嘘。​どちらにせよ話しにくい内容です。

​それでも自分のエピソードを話してくれました。

書く

​作文の時間です。​書くとなってもやはり難しいテーマ。

華恵さんから条件として自身の「体験」も入れてくださいとのこと。なおさら書きにくい。

​それでも、生徒はみんな手を休めることなく動かしていきました。ほんとすごい。

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​講評会

最後は講評です。みんなが書いた作文を集め、華恵さんが作文の感想を伝えました。作文を書き終えて笑顔も見られました。

華恵さんはモノを書くことを仕事にされている方です。プロの書き手の目線からのお話は納得できるところも多かったのではないでしょうか。

​以下は華恵さんのコメントです。(植田)

華恵さんのコメント

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中学生は、いわゆる「多感」な時期。気持ちが複雑になり、自分の気持ちを言語化するのが特に難しい年頃とされます。
思っていたより、授業中の発言は少なく、戸惑いを覚えている様子の生徒さんもいらっしゃいました。
無理なテーマを掲げすぎたかしら、と思いきや、書き始めたら皆さん各々の大切な思いを書いてくださいました。

話せないことでも、書ける。


その可能性を感じました。

今回は、嘘、というテーマで、自分の体験を書いてもらったために、
「HPには載せないで」「教室でも読み上げないで」と言った生徒さんは多く、
正直な心の内を書いてくれたエッセイはどれもライブ感があり、躍動感が伝わってきました。
気持ちの強さは、文章に出る。
皆さんの文章を拝読して、改めてそれを強く感じ、気持ちが引き締まりました。(華恵)

特別授業後記

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特別授業おつかれ様でした。みんなめっちゃ緊張してたね。でも普段とはちがう雰囲気で授業ができたのはよかったと思います。よかったよね?

​華恵さんも真剣に生徒たちと向き合ってくれました。それは上の写真から伝わるはずです。どれも「こいつらの話を一つも聞き漏らしてやるもんか」といった表情です。恐くなんてないですよ。真剣っていいなと感じました。

それに話すのも上手です。自身の体験を交えながらテーマの内容を話していくのはさすがだなと感じました。

その後、華恵さんはみんなの作文を添削してくれました。

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黒のシャーペンで書いてあるのが華恵さんのコメントです。

赤ではなく黒で書いたのは「赤でビャービャー書くと偉そうだから」だそうです。

そういう心配り、粋ですよね。たとえ手元に赤ペンがなかったとしても素敵です。それに添削の文章を読んだら、この人はいい人だと伝わります。ちなみに自分は赤でビャービャー書いています。偉そうでごめなさい。

添削の中で華恵さんがある中学生に​「文章と心の距離が近いのは大きな武器です」と書いていました。

「文章と心の距離が近い」

これは文章を書く上でとても大切なことです。

『嘘』なんて文章の中ではつき放題です。けれど、嘘で書いた文章は見透かされてしまいます。そもそも面白くないです。

面白い文章、良い文章というのは書いた人の心があらわれている文章だと思います。

最後に『嘘』について。

自分についた嘘は積み重なっていくものだと思います

嘘で埋められた自分を生きるのは寂しそうです。それにいつかしっぺ返しが来るかもしれません。

けれど、自分についた嘘です。自分が大変な思いをするのは仕方がありません。

ただそれが人に迷惑をかける嘘になるのはやめたいです。

嘘で傷ついた気持ちや関係は簡単にはなおりません。一つの嘘で台無しになってしまうこともあります。

「人に迷惑をかける嘘はやめましょう」

当たり前のことですが、テレビや新聞を見ていると大人でもなかなかできないのだなと感じます。

​でも、『人を楽しませる嘘』もあると思っています。

今思い出すと「あれは嘘だったな」と思うこともあります。素敵な大人たちに言われた、くっだらない嘘。よく信じたな自分というもの。

でもそのときは、その嘘で笑ったはずです。もしかしたら救われたこともあるかもしれません。

自分も幸せな嘘がつける大人になりたいです。

『ライフ・イズ・ビューティフル』のお父さんがつくような嘘が理想です。

華恵さん、どうもありがとうございました。

​ぜひまた、katariにお越しくださいませ。(植田)

2019年9月

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